30年ぶりの大雪との格闘の中で垣間見えたもの
2月8日から9日にかけて関東甲信越地方は、近年稀に見る大雪に見舞われました。3月4日、気象庁の異常気象分析検討会は、「30年に1回程度の異常な天候だった」との見解を示したとのことです。市内各地で雪との闘いが繰り広げられた事と思います。誠にお疲れ様でした!
私は、町内では若手の部類に入り、かつ町内の大通り沿いに住んでいること、手が付けられていなかった箇所がかなりあったこと、そして使命感等々から6時過ぎまでひたすら雪掻きに没頭しました。
地区や道路によっては殆ど手が付けられていなかった場所も散見されましたが、皆さんの地域では如何でしたか?
ご町内で声を掛け合って午前中の段階で雪かきを完了した地域。最低限の弁えとして自宅前については確りと雪かきをした地域。中には、我関せず…?と、全く雪かきをしなかった方…など、様々な態様が有った事と思います。
もちろん、高齢や病気等のため、雪かきが出来なかった方もいらした事と思いますが、こうした非常時には地域力や自治力が試され、そして、露呈してくることを痛感しました。時折、頭に浮かんだのは、これから先10年、20年、30年先の地域の姿でした。
「公(おおやけ)の精神」
公とは、「大家(おおやけ)」「大宅(おおやけ)」、つまり【大きな家~ひとつ屋根の下にいる状態~】が原義であり、転じて、「個人の立場を離れて全体にかかわること。社会。公共。世間。」のことを意味しています。
個人に言い換えれば、自分自身の問題だと捉える範囲が、その個人にとっての「公の範囲」と言えます。
「自分自身の問題だと感じられる範囲が、どこまであるか?」この点は非常に大切であり、地域の道路、犬の糞の不始末、ゴミ出しのマナーの問題など、皆で共有する場や日常の場面で如実に現れます。
やっぱり大切。向こう三軒両隣
「向こう三軒両隣」
日頃親しく付き合っている近隣の状態を表す用語として使われていたこの言葉は、今では「懐かしさ」さえ覚える言葉になっています。
「他人様のことには出来るだけ関わらない」「他人に関わって欲しくない」という風潮が、広がってしまったことや、「個人情報保護法」の施行に伴う個人情報に対する過度の意識が、孤立化・無縁化など、地域との繋がりを加速度的に悪化させた要因として考えられます。
「自助→共助→公助」の言葉は、災害時の心構えとして使われる言葉で、浸透しつつある言葉となって来ましたが「地域の見守りの観点」や、さらに「治安形成の観点」でも不可欠の認識です。言うまでも無く、「安全・安心の地域づくり」には一人ひとりの地域住民の参画が不可欠です。
今回の降雪量は凄まじく、ただでさえ雪に弱い首都圏を直撃しましたが、地域住民が声を掛け合い、少しずつでも力を合わせれば、最低限の対応が可能です。
まちづくりの原点・原動力は他ならぬ住民ひとり一人の意識と行動そのもの。日頃からの近所づきあいや、地域における挨拶など、直ぐに始められる事が沢山あります。
地域の子供達は私たち大人の背中を見て育ちます。
良い背中を確りと見せて行きたいですね(^-^)
平成26年3月23日発行
久野晋作 活動報告リポート第39号より