まちが消滅する!?

「消滅可能性都市」とは? 我孫子市はどうなる?

▼地方から人口流出がこのまま続くと、896市区町村(全体の49.8%)が2040年には「消滅の危機に直面する」という推計が58日に発表されました。

全国1800市区町村(政令市の行政区を含む)の49.8%に当たる896自治体で、子供を産む人の大多数を占める「2039歳の女性人口」が2010年からの30年間で5割以上減ることが8日、日本創成会議・人口減少問題検討分科会」の推計でわかった。


896自治体を消滅可能性都市と位置付け、有効な手を打たなければ将来消える可能性があるという。また896自治体のうち、40年の人口が1万人を割る523自治体(全体の29.1%)については「消滅の可能性が高い」とし、より衰退の恐れが大きいとした

2014/5/9毎日新聞)。

  • 日本の人口が減少するということは、既に判っていたことでしたが、【消滅可能性都市】というネーミングのインパクトは相当なもので、自治体関係者のみならず、人口減少社会のもたらす結末を国民自身が直視せざるを得なくなりました。
  • しかしながら、「消滅」という言葉には語弊があり、「都市が跡形もなく消える?」という誤解を招く表現と言え、このネーミングには批判も少なくありません。
  • とはいえ、人口問題に関して、これまでのように抜本的な対策を打たずにおけば、事態は益々悪化して行く事は間違いありません。

<晋作の視点>

 

【消滅可能性都市】とは、「都市、ひいては国家としての持続可能性に対する、問題提起」であり、国民全員が「我がこととして考えるべき課題」だと私は思います。

 

このニュースを聴いた時、「我孫子はどうだろうか?」と、気になった方も多いかと思います。

今回の推計では、我孫子市は消滅可能性都市と位置付けられては居ません。しかし、若年人口変化率(2010年からの30年間の「2039歳の女性人口」の比率)は▲434となっており、決して安心できる数値ではなく、東葛6市の中でも削減率ワースト1位となっています。確りとした対策を打たなければ、消滅可能性都市に確実に位置づけられる状況にあります。


 

2010

2040

若年女性人口変化率

総人口

20-39

の女性

総人口

20-39

の女性

2010→2040

我孫子

134,017

16,111

101,269

9,116

-6,995

▲43.4%

鎌ヶ谷

107,853

14,018

108,227

11,276

-2,742

▲19.6%

野田

155,491

18,450

139,258

12,883

-5,567

▲30.2%

流山

163,984

22,388

143,291

13,455

-8,933

▲39.9%

404,012

54,797

413,467

43,291

-11,506

▲21.0%

松戸

484,457

63,832

413,741

38,713

-25,119

▲39.4%

東葛6市の推計(日本創成会議ホームページより抜粋)

人口問題は、地域社会、国家の存立、そして、国民生活における基礎的な要素であり、政治・行政・民間・業界・国民」が共有の問題意識を持ち、確りとした対策を打って行かなければ、益々厳しい局面を迎え、確実に解決不可能な状況となります。


少子高齢社会が引き起こしている問題として、ピラミッド型の人口構成を元に制度設計している保険(医療・介護・年金)の財政状況が年々悪化し、破たん又は成立しなくなっています。これは決して他人事ではありません。

では、どうするか?

課題の先送りはせず、共有認識のもと

政策を迅速かつ確実に実施すること

先頃「公的年金支給開始年齢の更なる引き上げを検討」とのニュースが飛び込みましたが、年金制度を支えている現役(特に若年)世代が「受給が確実視されぬ年金制度」に保険料を支払い続けるでしょうか?

 

日本創成会議は報告書の中で“「人口減少社会」の実像と「今後の対応のあり方」に関し、国民の基本認識の共有を図ることが必要。根拠なき「楽観論」や「悲観論」ではなく、正確かつ冷静に「長期的かつ総合的な視点から、政策を迅速に実施すること”などを提言しています。

 

長年に渡り実質的に先送りしてきた少子化問題を、即座に解決できる「魔法の杖」のような政策は存在しませんが、これ以上、課題を先送りすることは未来の世代に対する責任放棄であり、断じて許されません。

 

人口問題は、誰もが当事者であり、自身は元より子孫に必ず影響を与える重要な問題です。「持続可能な地域社会および国家」を、次代を担う子供達に確りと受け渡すべく、共に考え、共に行動して行きましょう!

 


平成26年5月15日発行

久野晋作 活動報告リポート第41号より